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ラーニングピラミッドとは?学習定着率の考え方と、研修で「覚えている」を増やす方法

研修やセミナーで学んだはずの内容を、数週間後にはほとんど思い出せない。多くの人が経験していることです。学び方によって記憶への残り方が違うことを示した図として、よく紹介されるのが「ラーニングピラミッド」です。

この記事では、ラーニングピラミッドの内容と、その数字を扱うときの注意点を整理したうえで、企業研修で学びを現場に定着させるための具体的な工夫を紹介します。

ラーニングピラミッドとは

ラーニングピラミッドは、学習方法ごとの「学習定着率」をピラミッド型に並べた図です。アメリカの研究・研修機関であるNTL(National Training Laboratories、現NTL Institute)が示したものとして広く紹介されています。

一般的に紹介される図では、上から次の順に並び、下に行くほど記憶に残りやすいとされています(図には定着率のパーセンテージが添えられることが多いのですが、後述の理由から、この記事では数字を省いています)。

順番学習方法学びの種類
1講義を聴く受け身の学び
2読む受け身の学び
3視聴覚教材を見る受け身の学び
4実演を見る能動的な学び
5グループで議論する能動的な学び
6自分で体験する・練習する能動的な学び
7他の人に教える能動的な学び

ラーニングピラミッドの図。上から講義、読書、視聴覚、デモンストレーション、グループ討論、実践、他の人に教える、の順に並び、下ほど能動的な学習になる

上の段ほど受け身の学び、下の段ほど自分で考えて動く能動的な学びになっているのが特徴です。

数字の扱いには注意が必要

ラーニングピラミッドの数字は、研修や教育の場で頻繁に引用されています。一方で、この数字の元になった実験データは公開されておらず、教育研究者からは「根拠が確認できない」と指摘されています。数字がきれいに5や10の倍数になっていることも、実測値としては不自然です。

そのため、パーセンテージを実際の定着率として断定的に使うのは避けるべきです。私たちも、この図を正確な測定結果としてではなく、学び方の傾向を示す考え方として紹介しています。

それでも「能動的な学び」が大切な理由

数字に根拠がないからといって、図の示す方向性まで否定されるわけではありません。自分で考えて取り組む学び、他者と議論する学び、学んだことを人に説明する学びが記憶に残りやすいことは、教育心理学の多くの研究と一致しています。

たとえば、学んだ内容を思い出そうとする行為そのものが記憶を強める「テスト効果」や、他者に説明することで自分の理解の穴に気づく効果などが知られています。いずれも、受け身で聴くだけでは起きにくいものです。

アクティブラーニングとは

こうした考え方をもとに広がったのが「アクティブラーニング」です。講義を聴くだけでなく、議論、グループワーク、ロールプレイ、体験などを通じて、学ぶ人自身が考え、手や口を動かしながら学ぶ方法の総称です。

企業研修にアクティブラーニングを取り入れると、次のような効果が期待できます。

  • 記憶に残りやすい:知識が「自分が体験したこと」として残ります。
  • 考える力が育つ:議論を通じて、自分と違う見方に触れ、多角的に考える習慣がつきます。
  • 主体性が高まる:自分で学びのプロセスを担うことで、学ぶ意欲が上がります。
  • 現場で必要なスキルが身につく:コミュニケーションや問題解決の力が、ワークの中で自然に鍛えられます。

体験するだけでは定着しない

ここで注意したいのは、「体験型にすれば自動的に定着する」わけではないことです。楽しいワークをしても、終わったあとに「楽しかった」で解散してしまえば、職場に戻ったときには何も変わりません。

体験から学びを引き出すには、次の3つの段階が必要です。

  1. 体験する:実際に行動し、結果を出す。
  2. 振り返る:何が起きたのか、なぜそうなったのかを言葉にする。
  3. つなげる:自分たちの職場に置き換え、明日から何をするかを決める。

FREIWALKの体験型研修では、ビジネスゲームの時間と同じくらい、この振り返りの時間を大切にしています。ゲームの中で起きた情報共有のずれや意思決定の迷いは、普段の仕事で起きていることとよく似ています。それを自分たちの言葉で整理することで、学びが「現場で再現できる状態」になります。

研修の学びを現場に定着させる5つの工夫

研修を企画する立場の方が、すぐに取り入れられる工夫を紹介します。

  1. 研修の目的を参加者に事前に伝える:「何のための研修か」が分かっていると、体験の中で注目するポイントが明確になります。
  2. 講義の時間を短くし、手を動かす時間を増やす:説明は必要最小限にして、ワークや議論に時間を使います。
  3. 振り返りの時間を削らない:時間が押すと削られがちですが、学びの中心はここです。
  4. 職場での行動を一つ決めて書き出す:「来週の会議で必ず一人ずつ意見を聞く」のように、具体的な行動にします。
  5. 研修後に上司や同僚と共有する場をつくる:決めた行動を周囲に伝えることで、実行される可能性が高まります。

まとめ

ラーニングピラミッドの数字そのものは根拠が確認されていませんが、「受け身より能動的な学びのほうが残りやすい」という考え方は、研修を設計するうえで役に立ちます。大切なのは、体験を取り入れることに加えて、振り返りと現場での使い方まで研修の中で扱うことです。

FREIWALKでは、ビジネスゲームを使った体験と、丁寧な振り返りを組み合わせた研修を提供しています。研修の定着に課題を感じている方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

ラーニングピラミッドの数字は信頼できますか?

図に添えられる定着率のパーセンテージは、元になった実験データが公開されておらず、研究者からも根拠が不明だと指摘されています。正確な定着率としてではなく、「能動的な学びほど残りやすい」という考え方を示す図として使うのが適切です。

アクティブラーニングとは何ですか?

講義を聴くだけでなく、議論、グループワーク、ロールプレイ、体験などを通じて、学ぶ人が自分で考え、手や口を動かしながら学ぶ方法の総称です。

企業研修で学びを定着させるにはどうすればよいですか?

体験やワークを取り入れることに加えて、研修の中で「何が起きたか」「なぜそうなったか」「職場でどう使うか」を言葉にして整理する時間を必ず取ることが効果的です。研修後に上司と共有する場をつくると、さらに実践につながりやすくなります。

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