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チーム目標の階層化と心理的安全性
組織やチームで成果を出すために欠かせない要素の一つに「目標の階層化(ゴールピラミッド)」というものがあります。これは目標を「大目標」「中目標」「小目標」の3段階にわけて整理する考え方でビジネスから教育、自己啓発にいたるまで幅広く活用されています。
例えば、チームの目標として「キャリアアップを実現する」という大目標があったとします。そのための中目標として「専門スキルを磨く」「社内外での信頼を築く」「自分の強みを活かした成果を出す」といった戦略が立てられます。さらにそれらを実現するために「毎月1冊の専門書を読む」「社内報告会で成果を発表する」「週に1回フィードバックをもらう」などの具体的な小目標が設定されます。
大目標
・キャリアアップを実現する
中目標
・専門スキルを磨く
・社内外での信頼を築く
・自分の強みを活かした成果を出す
小目標
・毎月1冊の専門書を読む
・社内報告会で成果を発表する
・週に1回フィードバックをもらう
この手法の大きな利点は理想やビジョンを現実的な行動に落とし込めることです。
自分やチームの取り組みがどの目標につながっているかを見える化することで各メンバーが自分の役割に納得感を持ちやすくなります。
ここで注目したいのが、「心理的安全性」との関係です。
目標を共有する場面で意見を言っても否定されない、失敗しても受け止めてもらえる、そんな土壌があるかどうかが、チームの成果に大きく影響します。目標階層がしっかりしていてもメンバーがその目標に対して主体的に取り組めるかどうかでただの作業リストで終わってしまうか決まってしまうでしょう。
だからこそ、目標設定のプロセスそのものに承認と対話の文化が必要です。メンバーの声に耳を傾け、それぞれの小目標に込められた意図や価値を認める姿勢がやる気と責任感を
引き出します。心理的安全性が確保されていると自分の進捗や悩みを率直に共有でき、チームとしての柔軟な調整や見直しもスムーズに行えるのです。
目標の階層化は「やらされ感」を乗り越え、「やる意味」に出会うためのフレームです。そしてそれを支えるのが心理的安全性という土台。目標があるから成長できるのではなく、安心して向きあえる環境があるからこそ目標が活きてくる、そんな視点を大事にしたいものです。