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戦略と戦術​
ー「勝てる組織」に必要な視点ー

「戦略」と「戦術」という言葉をよくビジネスの世界でも耳にします。しかし、その違いを正確に説明できる人は意外と少ないかもしれません。戦略と戦術はどちらも軍事用語です。
戦略は「戦いに勝つための全体方針、設計図」、戦術は「現場での戦い方」を指します。変化の激しい現代において、この2つの言葉は、「勝てる組織」をつくるカギになります。
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この概念を深く理解するために先の大戦における日本軍の事例から「戦略」と「戦術」について考えてみたいと思います。​

戦術の巧みさと戦略の不在

先の大戦の日本軍は、限られた戦闘において優れた戦術を発揮したことで知られています。真珠湾攻撃に代表されるように奇襲や接近戦などでの戦い方や兵士の士気の高さは、相手から恐れられていました。実際、緒戦では、連合国軍に対して相次いで勝利を収めています。
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一方で「戦略」については致命的な欠陥があったと多くの歴史家が指摘しています。大きな経済力と軍事力をもつアメリカとの長期戦に突入したにも関わらず、勝利に導くための勝つための設計図が極めて曖昧でした。
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補給線の確保、資源の持続的確保、戦争終結の出口戦略などが曖昧なまま、現場では散発的に戦闘が繰り返されることとなり、戦争の長期化に伴って物資は枯渇し、兵力は消耗し、戦術の巧みさだけでは状況を打破できなくなっていったのです。
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​この歴史的教訓は現代のビジネスにも驚くほど当てはまります。

ビジネスに置き換えるとどうなるか?

ビジネスにおける「戦略」とは会社の方向性や市場での立ち位置を定める大局的な方針をあらわします。『誰に』『何を』『どのような形で』提供していくのか。そして、どこで戦い、何を捨てるのか。このような選択と集中が重要です。

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​一方で、「戦術」営業手法、マーケティングの施策、商品設計、価格設定など戦略を現場で実行するための具体的な行動を指します。

例えば、ある会社が「高齢者向けの安心・簡単なスマートフォンで地方市場を開拓する」という戦略を立てたとします。そのためには「テレビCMを活用して認知度を高める」「実店舗で体験会を開く」「査宇佐が簡単なUIを設計する」などの戦術が必要になるでしょう。

​戦略なき戦術はまさに、戦場を駆け回る兵士のようなもの。疲弊するばかりで、勝利にはつながりません。逆に戦術なき戦略は、地図の上で勝った気になる司令部のようなもの。いくら立派な方針があっても行動が伴わなければ机上の空論になるのです。

ビジネスにおいても経営層と現場の間にコミュニケーションの断絶があれば同じような状況が起きてしまいます。戦略をより現場に伝わりやすい明確なものに、現場の声を戦略に反映するような柔軟性を持ち合わせている企業ほど成長を実感できていると思います。

なぜ今、戦略と戦術を分けて考えるべきか

現代のビジネス環境はまさに情報戦、心理戦、スピード勝負の連続です。SNS、AI、グローバル市場など、戦場はかつてないほど複雑になっています。だからこそ行き当たりばったりの施策ではなく、「全体の勝利のために次の1手をどう打つか」ということを考える視点が不可欠です。

よくある失敗に「成果が出ないから戦術ばかり変える」というものがあります。広告手法を変え、営業スクリプトを変え、それでも結果が出ない。実はそれは【戦略を間違えている】のかもしれません。「誰に」「何を」「どうやって届けたいのか」を見直すことなしに戦術だけをいじっても結果は変わらないのです。

最後に

戦略と戦術をわけて考えることは重要です。しかし、実際のビジネス現場では、その両者をいかに結び付け、組織全体で実行していくのか、このことが最も難しく、会議をしても抽象化しやすい部分です。

そこで見落とされやすい部分が「チームとしてどう機能するか」という視点です。
いくら優れた戦略があっても現場でメンバー同士が協力しあえず、必要な情報が共有されなければその戦略は机上の空論になるでしょう。逆に目の前の戦術を全員が必死にこなしていてもチームとしての方向性がずれていれば、大きな成果にはつながりません。

このずれを埋めるカギとなるのが「心理的安全性」「チームコミュニケーション」です。
これらがチームに生まれることによって、個人の力がただの足し算ではなく、掛け算になっていき、メンバー同士安心して意見を出し合い、情報を共有し、時には戦略そのものに疑問を投げかけることだってできるようになります。

つまり戦略と戦術をうまく機能させるためには土台となるチームの関係性と対話の質が不可欠なのです。
私たちが提供しているビジネスゲームを活用した体験型研修では、まさにチームとしての意思決定や心理的安全性についてリアルに体験することができます。


ゲームの中でメンバーは目の前の課題に集中するあまり視野を狭めてしまったり、意見がいいにくい雰囲気によって判断ミスを重ねたりと現実の職場と同じような状態に直面します。
こうした体験を振り返ることで「なぜチームづくりが重要なのか」「どうすれば安心して意見をだしあえるのか」が他人事ではなく、自分たちの課題として見えてくるのです。

戦略と戦術はチームという器があってはじめて活きる。

あなたの組織でも、その本質に気づくための一歩をぜひ体験からはじめてください。​

こんな課題をお持ちの企業におすすめです

チーム内のコミュニケーションを活性化したい

・自主性や当事者意識を高めたい

・組織内に心理的安全性を高めたい

・指示待ちから主体的な行動へと変化させたい

どんなビジネスゲームがあるの?
 

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